2019年新年ご挨拶
あけましておめでとうございます。皆様良いお年を迎えられたこととお喜び申し上げます。本年も倍旧のご指導
ご鞭撻を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。
昨年のこの稿で、2018年は準天頂型人工衛星が日本の上に上がるので、GPSの精度が格段に向上し、それを
活用した農業機械が登場する、というような話をさせていただきました。何のことかと思われた方も多かったかと思います。この話を解説してくれたようなTVドラマが、TBS系列から放映されました。前作に続き大ヒットした「下町ロケット」第二部、ゴースト編、ヤタガラス編です。
ご覧になった方も多いと思いますが、概略すると、日本農業は農家の高齢化や担い手の不足で苦しんでいる。それを打開するためには農業機械の無人化が不可欠だ、ということでドラマの主役たちが開発競争を繰り広げるのですが、この間の葛藤やすさまじい抗争がドラマを盛り上げてくれています。主役の一人である阿部寛演じる佃航平のモノづくりにかける情熱も、我が国のモノづくりの原点を見ているようで私も感動しました。
農業がこうしたTVドラマになるということはとても良かったと思っています。多くの国民は農業の現場が抱える問題をあまりにも知らないのです。もちろん農業機械がこんなに進んでいることなどは想像もしていない。このドラマで初めて知ったという方も多いと思います。その意味でも大変価値があったと思います。
本題に戻りますが、私は、2019年が農機ロボット元年になるのではと思っています。もちろん普及が進むには、機械のさらなる進化・低廉化、規制緩和やインフラの充実など克服すべき課題は多いのは事実です。しかし、間違いなく方向はロボット化に進むと思います。自動運転というニーズは自動車の方が圧倒的に大きいわけですが、事故などリスクが少ない農業機械分野の方が導入、普及は早いと思います。この進んだ技術をもとに、トラクタやコンバインだけでなく、たとえば草刈ロボットなどいろいろな作業がロボット化されていくという形で、気が付くといつの間にか大きく変化していく、そんな元年に是非したいと願っています。
本年は、クボタ創立130年、新潟クボタ創立55年という記念すべき節目の年になります。新潟県も絶大なる
ブランド力を持つお米に加え、園芸畑作、畜産などに力をいれ、「稼げる農業」を目指しています。わが社もこうした方針に沿って、「スマート農業」、「畑作園芸の機械化体系の確立」「お米など県産農産物の輸出」などに一層注力したいと思っております。本年も格別なるご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
株式会社新潟クボタ 代表取締役社長 吉田至夫