平成30年御礼
本年も多くの皆様にひとかたならぬご指導、ご愛顧を賜りました。改めて厚く御礼申し上げます。
振り返りますと本年も、トランプ大統領に世界中振り回された一年でした。特に米中対立の激化から、我が国の株価も急落するなど、安定していた世界経済にも先行きに暗雲が立ち込めてきたというところでしょうか。
さて、今回が平成最後の年末御礼ということで、この30年を思いますと、第一の特徴は、明治以降初めて戦争のなかった御代でした。戊辰戦争、西南戦争と凄惨な内戦を潜り抜け成立した明治は、日清、日露の大戦。大正は、第一次世界大戦。昭和は太平洋戦争、そしては終戦。
平成は、戦争こそありませんでしたが、経済的には厳しい面が多かったようです。ベルリンの壁崩壊、日経平均史上最高値で始まった平成は、バブル崩壊後、デフレ経済に突入。また、阪神淡路大震災、東日本大震災、異常気象の常態化など災害列島日本と化したようです。そして、気が付いたら高齢化、人口減少、格差社会となってしまいました。
農業に焦点を絞りますと、我が国の農業機械出荷額は平成9年をピークに減少の一途。新潟県農業の農業出荷額を見ても、平成6年の4200億円弱をピークに減少を続け、本年あたりは2500億円を大きく割り込んでしまったとみられます。
こう書き綴ると暗い話題ばかりのようですが、新しい可能性も芽吹き始めてきました。AIやIoTといった新しい技術・産業の勃興、それに伴う社会の変化であります。いつの時代も明日を切り開くのはイノベーションです。一つの時代の終焉は、また、新しい時代の幕開けでもあるのです。
我々農業関係で、そうした動きを象徴するようなテレビドラマが大ヒットしました。そうTBS系列で放映された「下町ロケット」ゴースト編、ヤタガラス編です。新潟県燕市がロケ地だったことから、新潟では驚異的な視聴率を確保したようです。主役の無人トラクタは、クボタでは市販化商品であり、農水省の先端農業実証事業で2019年は皆様もクボタアグリロボトラクタを新潟県の圃場で目にすることになるかと思います。どうか注目していただきたいものと思います。
新年が皆様にとりまして良い年になりますことを心よりご祈念申し上げ、本年の御礼とさせていただきます。
本当にありがとうございました。
株式会社新潟クボタ 代表取締役社長 吉田至夫